らびっとブログ

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常識外れの経済政策が続くのは「青い鳥症候群」な政治のせい

10月の1ドル150円台突入で、円の価値は2011年の75円から半減して「安い日本」となった。その原因は2012年から続く「異次元緩和」だが、なぜ非常識な経済政策が続くのか、その原因は安易な政治にあると思う。

 

要旨を先に書いてみる。

  1. 「価値を高める」のが本来の市場経済
  2. 異次元緩和と円安のアベノミクス継続は非常識
  3. そもそも政府に経済を強くする力は無い
  4. 非常識な経済論は「青い鳥症候群」の政治が生んでいる

 

まず市場経済は、次々参入するライバルに対抗して「商品価値を高め続ける」事が本質で、企業はより良い製品、労働者もより良い仕事の提供を目指して、自己革新し続けない者はトップに居続けられない社会で、資本主義とは継続革命だ。

 

各国は1次産業から2次・3次産業へ、GEは総合家電から航空機や医療に「選択と集中」し、イギリスは金融業にシフトした。日本も一時は円高になった。

 

しかしアベノミクスの「異次元緩和」は、元は「三本の矢」での新産業成長までの時間稼ぎだったのに、新産業が失速後も「道半ば」と政治理由で無意味に続けた結果、市場への通貨供給過剰で「安い国」に転落したのは経済の常識通り。

 

そもそも経済のグローバル化で政府の経済への影響力は限られているのに、政府に「景気」を求めるのが間違い。景気循環は資本主義の基本だし、政府の役目は補助金等での誘導や激変緩和やセーフティネット整備程度で、政府が人為的に株価を上げても市場が歪むだけで、経済主体が強くならないと実体経済は向上しない。

 

昔の選挙で「成長戦略」という言葉は聞かなかったが、「私に成長戦略がある」と言う詐欺に国民が次々と信じ続ける「青い鳥症候群」のせいで、「異次元緩和を続ければ景気が良くなる」など原因と結果が転倒した非常識な経済論が横行してしまい、当然結果は出ないのに、「やってます」感だけで続けてしまう。

 

そもそも異次元緩和や人為的な円安・株高は「高度成長の夢よもう一度」の手法で、「株高になれば、景気が良くなった気がしてバンバン金を使えば、本当に景気が良くなる」という希望的観測な心理学だが、現実の市場は甘くなく結果は出ないし、逆に弱い産業にカンフル剤を続けて出口戦略が見えずに後の政権への負の遺産になっている。

 

アメリカはアメリカンドリームな移民大国で成り立っているが、日本では移民もフランスのような少子化対策もしないなら、高齢化で縮小均衡しか無く、更に若者層に現状維持な保守指向が蔓延すれば国際競争からも脱落して新産業も生まれず衰退一直線。

 

結局、オリンピックとかムード先行のギャンブル資本主義を追い続けるのはやめて、現役世代がチャレンジできるセーフティネットや、将来不安を減らして経済が廻るヨーロッパ的社会保障を取り入れていくべき、と思うのでした。

 

以上です。