らびっとブログ

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上映会 (10/24:ロバと少年、ふしぎな笛、宇宙展望、真夏の夜の夢)

2026/10/24(土) 動画倶楽部 第18回 16ミリフィルム上映会(at 都立多摩図書館)の感想です(最終更新 2026/8/25)。

 

1.ロバと少年

ナザレで少年が親に命じられて老いたロバ「スモール・ワン」を街に売りに行き、後にイエスの弟子となるヨセフが買ってくれる話。ディズニーの中編で初見だがフィルムの色彩も良く、主人公達のリアル調な作画や時に光を感じる美術も非常に丁寧で、知名度が低いのは残念だ。ただ街の人々は漫画調でコメディな動きがあまりにもパターンで騒々しいし、キャラも話も非常に地味なので、やはり聖書の知識を持ってクリスマス前に見るべき種類の作品か、とも思った。

 

2.ふしぎな笛

子供が拾った笛を吹くとカラフルな世界が広がるが、乱暴者だと色の無い世界が広がるという、セリフ無しで手書き風の映像だけで通じるNFB(カナダ国立映画庁)の短編らしい作品だが、展開される絵に脈絡を感じられず、正直ピンとこなかった。

 

3.宇宙展望

湖でボートに乗った少年と犬から宇宙に、更に逆に粒子までズームするNFB短編で、今では良くある描写だが当時は新鮮で大学時代に数回観たが、「ボートは斜めから見ているのに、カメラが引くと何故か真上に上昇」とか「ズームインの最後は陽子と回る電子ではないのか」の疑問は昔と変わらなかった。なおフィルムは赤化が相当進み真っ赤だった。

 

4,真夏の夜の夢

トルンカの人形アニメの名作と言われ、妖精は造形も美しく半透明で演技し続けて当時の光学処理技法の駆使と思うが、シェークスピアの原作を知らない事もあり話も展開もほとんどわからない。日本語版でセリフとナレーション付きだが、本来はセリフ無しらしい。フィルム赤化も進んで色合いはわからず、最後のカーテンコール風の演出は良かったが正直長かった。個人的にはトルンカ作品では「バヤヤ(王子)」には光と影の迫力や明快な本筋を感じるが、当作は中央の妖精に凄い手間をかけていても周囲はガラガラで感情移入できない画面が多かった。

 

関連情報

 

簡単ですが以上です。

「第54回 全国アニメ総会 in 島田 (静岡)」

2026/10/17(土)~18(日)の「第54回 全国アニメーション総会 in 島田」は多彩な企画が充実してとても有意義でした!(最終更新 2026/10/20)

 

 

はじめに

4サークル持ち回り開催が続く総会で、静岡は伝統的に「古き良きカートゥーンや特撮含めたイカゲテ多め」な印象ですが、会場ではいきなり「令和版 静岡アニメ特撮地図」や「怪獣先生ソフビ展」などの丁寧な展示が。

 

パンフには「スケジュール&プログラム」(15:30 受付開始~翌9:30 解散)と「サークル紹介」(4サークル)と「参加者名簿」(52名)が記載で、自分で書く名札と何故か「島田市 2000円分クーポン」も。

 

大変なのに16mm映写機・8mm映写機・天井プロジェクターを使い分け。なお映写前に「16mmは50Hz/60Hz境界を越えたので再生速度が違うかも」説明があったが、EIKI(映機)の映写機ラベル上は「50Hz/60Hz」と両用にも見え、正常だったような。

 

広さ的に仕方ないが、後ろの席ではスクリーンの約1/3は見えず通路に傾いて鑑賞。なお前面のシートは夜間ごろ寝観用だったのかも。

 

夕食(酒あり)しながら自己紹介、朝食しながら反省会、との静岡「宴会総会」スタイルだが、実は今回は会場と食堂は分けていたのに参加者増で埋まって更に会場外宿泊者も出たそうで、イベントの参加者予測は難しいが可能な限り対応してくれた形。なお多少の機材トラブルはあれど、ほぼスケジュール通りの進行でした。

 

最後の反省会(参加者の感想会)では「今回は多彩な企画が良かった」声が多数あり、主催のSCMさんや静大アニ同OBさんからは「主催は今回が最後かも」との声も聞かれますが、個人的には勝手ながら

  • 東京のように旅情無視で会場固定して調整も当日も慣れてて楽
  • プロジェクターのみなど搬入機材限定
  • 深夜はお開きの健康総会

なども含めて継続してくれればいいな、とも思うのでした。

 

主催側企画

続 アニメ総会の奇跡

前回の静岡大会(コロナ前の2019年)の続編のレジェンド座談会で、当時の写真を投影しながら、全国総会の第1回は名簿も記念撮影もなく「幻の総会」になってしまった、当初の東京アニメーション同好会(現アニドウ)はプロの組合の面が強く他サークルと性格が違った、など貴重な話が聞けて良かった。勝手ながらできればポイントだけでも冊子やサイトなどに残して欲しい。

 

3Dダンスアニメの進化

反省会でも評価が多数の、3DのプロがEDのダンスアニメの進化を具体的に解説。個人的にも「最初は不自然な動きのポリゴンや棒アニメが、次第に手書きに近づいていくが、ひらすら手書き補正だろうか」と長年不思議だったが、解説では具体例を挙げながら、横顔は別の形に変化、筋肉の動きや反りを追加、セル風と3D風の試行錯誤、更に向きにより形を自動補正し、目玉の膨らみや、リアルなモーションピクチャーではなくキャラクターのリミテッドアニメの動きや演出や漫画的アクセント、その上で最後は全コマ見て手修正と、システム含め重層的に積み上げられていると知って大変勉強になった。

 

ハンナ・バーベラ 吹き替えのワザ!

解説動画の上映だが編集がうまく自然で「テレビ番組?」の声が続出して、反省会で作者が謙遜して「僭越ながら、もっといい番組見てください(笑)」と言っていたが、本当にスムーズさがプロ並みだった。「ブラック魔王」や「ドボチョン一家」などの元の呼称が随分違う事はネットでも有名だが、日本では方針として有名漫談家を多数登用して日本人が馴染める作品にした経緯を多くの例で説明して、上映後はあちこちで「ムッシュ・ムラムラ」が聞こえた。

 

持込企画

3分でわかる宗教アニメの世界

主に宗教団体が製作した布教用アニメで、広報アニメ同様に世間の認知度も低くほとんど一覧化されていないが、いわゆるアニメブーム以降は実に多くの宗派や教団が沢山作っていて驚き。詳細は以下リンク先も参照。なお制作に関わった別の参加者によると、多くの業界人はその宗教とは関係なく仕事として普通にやってる、とのこと。今後の総会でも上映されるかも?(無責任発言)

 

南家こうじさんの最新作の紹介

資料「南家こうじ フィルモグラフィー」(1971~2026の140~150作)を配布し、タツノコプロ入社して特殊効果から、「ガッチャマン」で動画に移り一気に作監補佐で活躍したが、タツノコプロ退社後はCMやOP/EDや自主制作中心となり、TVアニメの本編は一切参加しておらず、近年は自主制作、との解説。11/11からの杉並では貴重な作品も?

 

サグレブ行ってきました!

ASIFA公認の世界アニメ三大映画祭の一つ、クロアチアのサグレブに女性単身で参加したレポートで、その地理、特徴、街の様子や会場や受賞作、そして部屋での夜食(!)まで現場の雰囲気も感じられるような楽しいプレゼンでした。

 

立体スライド View-Masterの世界

1940~50年頃の玩具だが日本メーカーも発売していて、後期モデルでは円盤に音声レコード機能も持たせて音が出る実演も。ただ事前の実物展示では残念ながら眼鏡のせいか良く見えず。

 

なぜ宮崎駿作品は、現代の若者から"ずれて"見えるのか

「宮崎作品はレジェンドだが男女の生活描写などが昭和の価値観で古く、若者は新海や細田に共感」との趣旨の論文で、却下されたが修正して再提出予定とか。大意は世間の大半も同意とも思うが、同じ事は「ヤマト(キティ)は古く、エヴァ(ちいかわ)に共感」など全てに言えるし、論文なら例えば以下もあると良いのでは、と思えてしまった。

  • 論評対象作の選定基準(当日の質問への回答は単に「代表作」だった)
  • 対象作品群の要素比較表(例外には原作準拠など理由も補記)
  • 潮流的考察(東映動画や高畑との比較、初期と最近の変化の有無)
  • 予想される反論への再反論(結婚後の男女関係描写なしは新海も同じ、など)

 

その他

自主制作作品上映は、前回に続いて「AI&Girl」(第2話)や「字戯アニメ 2026」、なお「サイレント落語 雨そば」は元ネタの落語を知らないせいか1ミリもわからず。深夜~早朝の 「いかにも静岡らしい深夜企画」はパスして3:30には就寝。なお3階の大浴場は朝6:20~6:30は貸切状態でした。

 

近場観光

解散後に2箇所に寄ったらとても良く、近いしお勧めです。

 

蓬莱橋(ほうらいばし)はただただ真っ直ぐな橋ですが異次元体験で新鮮。

 

隣駅近くの「茶の都ミュージアム」は世界の茶葉や文化の博物館で、その入場券で入れる隣接の茶室と日本庭園もかっこいい。ただ行きはバスを1時間待ってでも乗車推奨。

 

 

関連リンク

 

以上です。

上映会 (8/22 亜細亜堂特集:豆つぶころころ、アニメ落語館 1・4、対馬丸)

2026/8/22(土) 動画倶楽部 第17回 16ミリフィルム上映会(at 都立多摩図書館)の感想です(最終更新 2026/8/24)。

 

亜細亜堂は芝山努や小林治らが設立したアニメ制作会社で若者受けする派手さは少ないが、地味ながらもアクセントある絵や構図と要所要所の動きで、全体の作画枚数やコストは抑えながらも作品のイメージを保って破綻なく仕上げるプロな印象が強く、最近では「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」はSNS評判も納得のとても良質な映画だった。

 

1.まめつぶころころ

良い爺さんの真似をした悪い爺さんが酷いめに会う「はなさかじいさん」風の話で、フィルムはかなり赤色化していたが、民家内を上や下から見たりと凝った構図が多く、結婚式のねずみ達はほどんど動かないのに絵柄がかわいく、悪い爺さんへの鬼たちの仕打ちも軽くて、手堅く良い作品でした。

 

2.アニメ落語館(第一巻 馬の田楽、第四巻 天失気)

個人的には前回の2作とも同様に、元々情景や仕草を敢えて言葉で表現している落語に、そのまま映像を加えてアニメ化するメリットが正直ピンとこないシリーズだが、天失気は絵柄もかわいく、小坊主が店を次々に尋ねるシーンは画面的な位置関係も繰り返されて良かった。

 

3.対馬丸 - さようなら沖縄 -

過去にテレビ放映でも見たが、16ミリフィルムは2巻で途中でリールの架け換えあり。いわゆる「戦争の悲惨さを伝える」作品だが、パニックものの沈没で主人公が大活躍する「ポセイドン・アドベンチャー」や「タイタニック」とは正反対に、誰も英雄でも悪党でもなく事件の総括セリフもないので、観客がドキュメンタリーを観て自分で解釈する作品。

事件のシーンでは感傷的な曲が流れ続ける事を除けば、衝撃で船壁に激突してそのまま動かなくなり流される少年、救命筏内の争い、子供の獲った魚を奪って自分の子供に与える親、事件後の教師も「無関係な子を殺した戦争」と「今後もお国の為になる生徒を育てたい」に分かれ、そして事件には箝口令が敷かれ、沖縄も戦場になる、などが単なる事実として淡々と描かれ、その静かな積み重ねが圧巻だった。モブシーンなどの枚数節約はあるが、主要人物はキャラ造形もあり存在感を感じた。

 

 

関連情報

当日のプログラムを含む動画倶楽部上映会の予定・履歴は以下をどうぞ。

■(参考)動画倶楽部 | 早稲田アニメーション同好会の記録(非公式)

 

 

簡単ですが以上です。

上映会 (7/11 芝山努特集:つるのすごもり、アニメ落語館 2・3、二死満塁)

2026/7/11(土) 動画倶楽部 第16回 16ミリフィルム上映会(at 都立多摩図書館)の感想です(最終更新 2026/7/12)。

 

今年3月に亡くなられた演出家の芝山努氏の作品特集ですが、残念ながら当日は体調すぐれず注意力おちていたかも。

 

1.つるのすごもり (1971、原作:タカクラ・テル、演出・作監:斎藤和男(芝山努)、作画:近藤喜文、17分)

鑑賞2回目。1955~1975年の長いベトナム戦争で米国側も厭戦と撤退気運が高まった頃の作品で、冒頭に「自主製作第一作」と出る。鶴たちが平和に暮らし雛を育てている島に鷲達が襲来するが、最後は団結して逆襲し追い払う。セリフは無く鳥の声や翼の音だけなのが良く、「費用は製作労働者達で自前したプロレタリア文学作品」にも見える。

 

ただ鷲の攻撃は通常の食物連鎖の捕食にも見えて、特に「帝国主義 v.s. 民族独立」の構図には見えず、この展開で良いのか疑問は沸く。また終始鳥達が飛び交う作画は明らかに労作だが、バンクもあり特段に秀逸な作画にも見えない。

 

 

2.アニメ落語館
 ・第二巻 お血脈 (1990、構成・演出:須田裕美子、キャラクター:芝山努、作画:藤森雅也、16分)

 ・第三巻 かぼちゃ屋 (1992、演出:湯浅政明、作画:湯浅政明・関根昌之、21分)

落語の言い回しに慣れてない事もあり半分以上は聞き取れず、また話を視覚で説明してしまうと言葉を重ねる面白さが見えなくなってしまう面もあり、正直ピンと来なかった。

 

ただ「かぼちゃ屋」は、長棒で担いだかぼちゃ売りが、狭い路地で回転できず騒ぐという単純にアホな話で、水彩風で味を感じる狭い路地の感覚がビジュアル化できていて、これは良かった。

 

 

3.二死満塁 (ツーダンフルベース) (1982、原作:砂田弘、演出・作監:芝山努、65分) 

スポーツ物かと思ったら「悪い話には1回でも加わったら、実は実行してなくてもカモにされて延々と巻き上げられるから、ダメ!ゼッタイ!」な話だった。

 

まず「ど根性ガエル」のように通学路の途中に川やゴミ捨て場、河川敷のグラウンドの直前にはトンネルなど印象的な構図があって、通ると必ず出て来る地理的なリアリティが良い。多くの登場人物は善悪が混ざっているのも良い。

 

とはいえ気になったのは

  • 主人公のマドンナ役の友代だけ、声が下手だし性格が完全無欠で人間味が無いと思っていたら、声は「石川ひとみ」のアイドル枠だった。企画上のノイズか。
  • 「特別出演・長嶋茂雄」で、コーチと長嶋が同じ顔で最後に出会って顔を見合わせるのがオチだが、両方見ている主人公が似てるとも言わずに不自然。(単なる邪推だが、長嶋登場が売りの企画なのに本人セリフは短時間なので、顔だけ同じコーチをずっと出したのでは)
  • そもそもコーチが主人公の「自動車ではねたかも」告発を「かも、ということは、違う可能性も」などと安易に曖昧化して話を握り潰したのが大人として一番悪いのでは。
  • 最後に友人の母親が「車の色が違う」と市会議員を庇うが、純粋な道交法(救助義務)違反を「曖昧にするのが美学」は現在の価値観ではスッキリしない。少なくとも医療費と休業補償は払うべきだろう。

などなど。

 

ただ細かい疑問が色々出てくるのも、微妙な人間ドラマができてる裏返しでもあり、映像とともに印象に残った。

 

4.プログラムの「コラム」

毎回受付で配られるプログラムに今回は、スタッフ側の望月智充監督の「コラム 『クレジットの記載形式について』 その1」があった。過去の慣習では同一人物は最低限しか表示されない(例えば監督は絵コンテには表示されない)との話で、つまりクレジット自体に加えて当時の記載基準も踏まえて確認しないと実際の役割分担は見えない、という事に思え、作品スタッフを語る上で重要なポイントに思える。

 

 

関連情報

当日のプログラムを含む動画倶楽部上映会の予定・履歴は以下をどうぞ。

■(参考)動画倶楽部 | 早稲田アニメーション同好会の記録(非公式)

 

 

簡単ですが以上です。

現存メインフレーム一覧(BIPROGY(UNISYS)撤退報道後)

* 2026/7/3のBIPROGY(UNISYS)撤退報道を反映しました。

 

現存メインフレーム一覧

現存するメインフレームのメーカーは世界で6社で、うち撤退表明済は2社(富士通、日立)、国内撤退方針報道が1社(BIPROGY(UNISYS))、継続表明済は2社(IBM、NEC)、残るアトス(ブル)は販売中ですが何年も新製品はありません。

 

現存メインフレーム一覧 (2026/6現在)
大分類 現製品(主なOS) 現状
IBM互換 IBM Z (z/OS, z/VM, Linux) 継続表明(2025) *1
富士通 GS21 (OSIV) 撤退予定(2035保守終了) *2
日立 AP10000 (VOS3) 撤退予定(2034保守終了) *3
非IBM互換 NEC ACOS (ACOS-4) 継続表明(2022) *4
Unisys ClearPath (OS2200, MCP) OS2200販売終了、MCP販売中 *5、撤退方針報道 *6
アトス BullSequana M series (GCOS7) 販売中 *7

 

各社の記事や公開情報は以下。

 

*1 IBM、AIとクラウド時代を支えるメインフレームの現在地--レガシーから未来基盤へ - ZDNET Japan (2025/9)

zシリーズは、先を見据えた開発ロードマップを用意していることでも知られる。6月に発売を開始したz17の発表時にも、次世代モデルの「IBM zNext」、さらにその先の「IBM zNext+1」「IBM zNext+2」と3世代先までのリリースが控える。zシリーズは約3年おきにリリースされているため、約10年先を見据えた開発が既にスタートしている計算だ。

 

*2 富士通は2030年のメインフレーム販売終了を表明済 (2022)

メインフレーム「GS21シリーズ」の製造と販売を終えるのは2030年度。その後も2035年まで既存顧客向けの保守を続ける。UNIXサーバー「SPARC M12」については、2029年度下期に製造と販売を終える。同じく保守を5年間続けて、2034年度に事業を終える。

 

*3 日立がメインフレーム撤退へ、「VOS3」販売終了 地銀勘定系も転換点 | 日経クロステック(xTECH) (2026)

メインフレーム向けOS「VOS3(Virtual-storage Operating System 3)」の販売・保守を終了する。販売は2027年11月に、保守は2034年12月に終了する。2035年には実質的にメインフレーム事業の終焉(しゅうえん)を迎える。

日立は2017年に当時販売していた大型のメインフレーム「AP8800E」を最後にハードウエアの開発を終了。以後は日本IBMからハードの提供を受ける形で販売を続けていた。 

(日立発表レター) AIを徹底活用し、お客さまの基幹システムのモダナイゼーションを加速 - Digital Highlights:デジタル:日立

VOS3 (*2) システムの販売を2027年11月、保守を2034年12月に終了します。

*2:Virtual-storage Operating System 3:日立の専用オペレーティングシステム(OS)

 

*4 NECのメインフレーム継続宣言 (2022)

「NEC 『ACOSシリーズ継続宣言』」を発表して顧客資産の継承・価値拡大を示しており、2022年6月30日に「ACOS-4」の最新版「i-PX AKATSUKI/A100」シリーズを発表したばかりだ。今後も宣言の通り、プラットフォームの継続強化を行う。

 

*5 Unisys ClearPath Server Series|BIPROGY株式会社

ClearPath Server は、BIPROGYが提供する、米国ユニシスが開発するエンタープライズサーバーの総称です。半世紀超に及ぶ長い歴史の中で培ってきたメインフレームのテクノロジを継承し、それを現代のビジネス環境に適合させたシステムです。提供プロダクト群として、OS2200モデルとMCPモデルを提供しています。

→OS2200(UNIVAC系、全5モデル)は「販売終了」、MCP(バローズ系、全2モデル)は販売中

 

*6 BIPROGYがメインフレームの販売・保守を終了へ、国内継続は日本IBMとNECの2社に | 日経クロステック(xTECH)

BIPROGYが国内で提供してきた米Unisys(ユニシス)製のメインフレームについて、販売・保守を終了する方針であることが日経クロステックの取材で2026年7月3日までに分かった。(略)現時点で、販売・保守の終了期限は定めていない。メインフレームの提供元である米Unisysはメインフレームの販売・保守を継続する。

 

*7 Mainframe Servers: BullSequana MH by Bull

Responsive mainframe for the next decade running on GCOS7 and Windows

→ BullSequana MH とGCOS7(GE、ハネウェル系)を販売中

 

 

過去のメインフレーム関係のブログ記事

 

以上です。

上映会 (5/9 こねこのらくがき/こねこのスタジオ/少年と子だぬき/九尾の狐と飛丸)

2026/5/9(土) 動画倶楽部 第15回 16ミリフィルム上映会(都立多摩図書館所蔵の4作品)の感想です(最終更新 2026/5/10)。

 

作品選定者によると「今回は特集にはならない作品をまとめただけ」のようですが、今回は「幻の作品」とも呼ばれる「九尾」目当ての方も多く、個人的にはどの作品も見応えありでした。(今回からブログのタイトルは主に作品名にしました。)

 

 

1.「こねこのらくがき」(1957、東映教育映画部、13分)

数回は観たが特にもりやすじ担当と言われる夢の列車に乗る前までのパートは優しいキャラと動きの極致で、猫がいたずらネズミを追うが「トムとジェリー」とは全く別の日常感と余韻が光る。セリフもなく、後の東映動画の新人研修用らしく「描いた絵が動き出す楽しさ」に溢れた作品。

 

 

2.「こねこのスタジオ」(1959、東映動画、19分)

2年後の続編で未来の全自動映画スタジオでのドタバタと子供受け要素満載だが、前作と同じキャラ達なのに絵柄も硬直的で実は個人的には好きになれない。

 

ただ上映後にスタッフのH氏から聞いた、「やぶにらみの暴君」(1951)のパースの効いた世界で動くキャラや、UPAのデザイン的なキャラの影響で、後の「ガリバーの宇宙旅行」(1965)にも繋がる、との説がなるほどでした。

 

 

3.「少年と子だぬき」(1992、童映社、13分)

日本人形アニメ先駆者の持永只仁の演出作品ながら全く知らなかったが、素朴な人形アニメでとても良かった。とはいえ殆どのシーンで人形の影も映り、何度も出る印象的な白い橋はロングやローアングルなどあらゆる構図で飽きさせず、自転車の背景に繰り返されるターンテーブル背景もガードレールや標識に少し変えたりと工夫が詰まっていた。

 

子だぬきの変化は最初から少年にバレてるが、変化が解けた後も「実は気づかぬふりをして普通に別れたのだろうか」などと観客が空想できる最後も楽しい。

 

 

4.「九尾の狐と飛丸」(1968、日本動画、81分)

ディズニーや東映動画の劇場長編アニメと並ぶ大作で、子供に媚びない意欲作ながらも、大手ではないためかソフト化もされず「幻の作品」と呼ばれるが、色々と考えさせられる凄い作品だった。なおフィルムの色はかなり良かったが音はやや聞き取れなかったところも。

 

初期テレビアニメ的な顔アップ多用の活劇から始まるが、やがて色彩を落とした時代物になり、子供向けの小動物や子役やギャグは一切無くまじめだが、幽玄シーンなど変化もあり飽きない。

 

と思っているとハイライトシーンは天を見上げる超巨大女神像の建造や剣を持った闘いと、一変してSFスペクタルか「赤影」かの超展開、そしてセリフの無い叙情的なラストは恋愛に始まり恋愛だけで終わる「シンデレラ」の結末真逆版のようでもあり、なんとも妖艶な快作だった。

 

多くの方の指摘のようにヒロイン玉藻は二面性持つ立場も黒髪ストレートのミステリアス美女の造形もヒルダを連想させ、もし「ホルスの大冒険」(1968)と公開が同年でなければ「後の方が真似」と言われそうだが、実際の制作はもちろん平行かと思う。

 

最後に「良くも悪くもアニメ素人の作った意欲作」な印象があり、大軍の移動や戦闘もまじめに全身作画するので中央のキャラしか描けず周囲が寂しいシーンが多いのだが、これらは構図やアップでごまかして良い気もするし、何十秒もの宙の浮遊は印象的だけど、全部作画なので凄い枚数を費やして、その煽りか別のシーンには繰り返し作画も見られたり。今から見ると「作画の使い方が変」だが、多分「既存アニメの手抜き手法に陥らない本格作品を作りたい」との志ゆえで、しかし結局は「作画及ばず」との結果でもあり、色々考えさせられた。

 

 

関連情報

当日のプログラムを含む動画倶楽部上映会の予定・履歴は以下をどうぞ。

■(参考)動画倶楽部 | 早稲田アニメーション同好会の記録(非公式)

 

 

(ご参考)図書館フィルムの上映方法

東京(多摩図書館)の例ですが、他もほぼ同じです。広げよう上映会の輪!

  1. 図書館の目録を見る「これを観たい!上映したい!」
  2. 3名で上映サークル結成(1名は都民)
  3. 1名(都民)が16ミリ映写機講習を受講(無料、1日)
  4. 図書館に団体登録(無料)
  5. フィルム・映写機・スクリーンを借出して上映会開催(教室や公民館。多摩図書館セミナールーム2は半日3800~5100円。簡易なら実働1名でも可能)

・16ミリ映画フィルムの団体貸出

・セミナールーム(貸出施設)

 

 

以上です。

上映会「動画倶楽部 第14回 せむしの仔馬(ソ連) 2本立て 」感想

2026/3/14(土) 上映会(2作品)の感想です(最終更新 2026/3/15)

 

ロシア民話のソ連時代のアニメ化で、手塚治虫にも大きな影響を与えた。オリジナル版とリメイク版の連続上映なの違いが判り面白かった。いずれも都立多摩図書館(旧日比谷図書館)所蔵の16ミリフィルムで各2巻。

 

1.「せむしのこうま」(1947、オリジナル版、58分)

フィルムは褪色で真っ赤だが、色以外の画質は良く、また音も良かった(音は貸出される映写機次第との説あり)。

「長靴をはいた猫」や「バヤヤ(王子)」のように、主人公のイワンが「せむしのこうま」の言う事を聞いて出世する話だが、主人公や兄弟はちょっとロトスコープ的なリアル風、城の王様達は昔の漫画映画風、そして金色の馬や火の鳥は露骨に手塚治虫アニメ風と、複数の絵柄と動きに描き分けられ、更に明るい舞台とおどろおどろしい暗い森の対比など、ディズニー「白雪姫」やグリモー「やぶにらみの暴君」も連想して、アニメーション映画の黎明期~普及期の構成とも思う。

 

手塚治虫も「火の鳥」はこのアニメが元としているが、このアニメではミステリアスな女神だけではなく、リンク先の絵のように少しひょうきんな顔もする。

手塚治虫はロシア(そのころはソビエト連邦という名前でした)で1947年製作、1949年3月に日本でも公開されたアニメ映画を見て、『せむしの仔馬』がすっかり好きになりました。ライフワークとなった『火の鳥』のキャラクターは本作に登場する脇役の火の鳥がルーツですし、最晩年のテレビアニメ作品『青いブリンク』も、この作品を換骨奪胎して現代風にしたものです。

手塚治虫オフィシャル - せむしのこうま

 

そして「東の国の姫」が異様に枚数をかけた妖艶なヒロイン描写でした。

 

 

2.「世界名作童話 せむしの仔馬」(1976、リメイク版、74分)

同じ制作スタジオ、同じ監督による29年後のリメイクで、絵柄も話も基本は同じだが、前作で少し唐突に感じた細かい展開が全て自然になっていて、さすがリメイクでした。具体的には、

  1. 主人公は音楽好きで、畑や馬手入や罠作成など少しは努力する描写
  2. 「せむしのこうま」と主人公は、地味な末っ子同士で友達になる
  3. 主人公達や王様達の描き分けも、ちょっと調和的に
  4. 「島のような動かないクジラ」エピソード追加で、スペクタクルシーン
  5. 主人公に誘拐される「東の国の姫」が「太陽の娘」とやや穏健に(翻訳の問題?)

 

そして何より多くの背景や映像が、どのカットのどの瞬間を拾っても絵本になるような美しさで見応えありました(オリジナル版は褪色で判らなかったのかもしれませんが)。

 

当日のパンフです(ただしオリジナル版の47分は正しくは 58分)



動画倶楽部の上映会の予定と履歴は以下をどうぞ。

■(参考)動画倶楽部 | 早稲田アニメーション同好会の記録(非公式)

 

以上です。

上映会「動画倶楽部 第13回 オムニバス一篇&ウォルター・ランツ 」感想

2026/1/17(土) 上映会(3特集・10作品)の感想です(最終更新 2026/1/18)

 

(特集1 オムニバス作品中の一編 日本編)

1.プンプンおやじ

漫画「フクちゃん」の横山隆一が設立した おとぎプロの作品で、おとぎ銀行への強盗犯2名と警官?の追跡劇だが、絵も展開も省略が多いのに背景動画が時々入ったりバランス観が不思議な作品でした。

 

2.ヒロシマのうた

原爆がテーマだがメインは戦後の話で、演出・作画の小林治の簡潔で情感を内包した、わざとらしくない作画が魅力でした。

 

(特集2 ウォルター=ランツ・プロダクション短編集)

3.ハツカネズミとライオン
4.クマとペンギン
5.間抜けなクマさん
6.グリース・ガンの決闘

ウッディー・ウッドペッカーの作者で有名なウォルター=ランツのカートゥーンだが、吹き替えも字幕も無く、どれもまとまりが無いような。5と6は初期のウッドペッカーらしく、相手が強面とはいえ、主人公が先に悪い事をするし攻撃に容赦もないが、ミッキーもドナルドも最初は悪かった。今の日本で子供向けにこの手の悪い主人公は少ない気もする。

 

(特集3 オムニバス作品中の一編 ディズニー編)

7.ピーターと狼

子供の情操教育アニメで、音楽の中で楽器や旋律が各キャラを表している(ライトモティーフ)事を絵とナレーションで判りやすく見せているが、この手のアニメも今は滅多に無く、強いて言えば「しまじろう」とかだろうか。

 

8.ドナルドダックとゆかいなペンギン(さむがりやのペンギン パブロ)

南極のペンギンが氷の船で赤道へくる話。

 

9.小さなゆうびんひこうきペドロ

南米の山岳地帯を超える飛行機坊やの初任務だが、魔物的な自然や、コロコロかわいい飛行機の描き方は、流石にディズニーの得意分野と思う。

 

10.ミッキーマウスと魔法の帽子(魔法使いの弟子)

有名な「ファンタジア」の一篇だが、何度見ても音楽にシンクロさせた水や影の描き方が凄い。

 

当日のパンフです。

 

動画倶楽部の上映会の予定と履歴は以下をどうぞ。

■(参考)動画倶楽部 | 早稲田アニメーション同好会の記録(非公式)

 

簡単ですが以上です。

 

上映会「動画倶楽部 第12回 広報&教育アニメ特集 」感想

2025/11/29(土) の上映5作品のネット情報と感想です(最終更新 2025/12/8)

 

1.「海底国の交通安全」 (1990年、14分)

画像の多い紹介ブログを発見(海底国の交通安全 | 知られぬアニメーション - 楽天ブログ、2015年)。この説明の通りバタバタ系の交通安全作品でした。

 

2.「へんてこなボランティア」 (1993年、46分)

東映のサイトでDVDを販売中(へんてこなボランティア)。時間は長めだが広報映画にありがちな押し付け感やご都合展開が全くなく、主人公達の自発的な成長を丁寧な演出と才田俊次の魅力的な作画で描いていて、今回個人的にベストの収穫でした。

(12/8 追記)コメントで教えてもらったYouTubeの動画(Weird Volunteers (1993) - [16mm Film Scan])、冒頭のタイトルからセンスを感じます。

 

3.「タッチ とびだしはアウトだよ!」(1987年、17分)

紹介ブログを発見(523『タッチ とびだしはアウトだよ!』 - 短篇映画研究会 SHORTFILM RESEARCHERS、2014年)。テレビアニメをベースにした良くある広報作品ですが、啓蒙は最後の実写に収めて、普通の1話としてもまとまってました。

 

4.「稲むらの火」(1989年、16分)

学研のサイトでDVD販売中(稲むらの火|学研映像.com)。主人公の少年を活躍させるためか救出に何度も海辺の村に戻ったりと津波てんでんこではないのは東日本大震災前の時代なのか。

 

5.「合格!サラダ学園」(1989年、?分)

同じキューピーの人形アニメ「空とぶサラダボール」(1977年、岡本忠成、9日付け京都民報に「岡本忠成ミニ資料展」を紹介していただきました‼|コラム|スタッフブログ|おもちゃ映画ミュージアム)の第2弾のようだが、昔から情報がほとんど見当たらない謎の作品で、多彩な技法を活用したものの、ちょっとごちゃごちゃ感でした。

 

当日のパンフです

 

 

作品のチラシ画像です(サラダ学園は箱に入っていなかった)。

 

 

動画倶楽部の上映会の予定と履歴(当日パンフなど)は以下をどうぞ。

■(参考)動画倶楽部 | 早稲田アニメーション同好会の記録(非公式)

 

 

以上です。

「第53回 全国アニメ総会 野間(名古屋)大会」

2025/11/15~16 全国アニメ総会に参加しました(最終更新 2025/12/7)

 

今年の主催はTAC(東海アニメーションサークル)さんで、名古屋駅から最寄りの野間駅まで約1時間を、事前にメール貰った乗換え案内図とGoogleMapでどうにか到着。

 

例年通り旅館に1泊2日で、パンフによれば参加者44名、大広間の会場にプロジェクタとスクリーンが設置済、基本は座布団に座るが最後列は椅子席で脚の弱い方は助かっていた。

 

今回、受付時に渡された画用紙に参加者が字を描いて、自己紹介中にコマ撮りした趣向はTACの「怪人20面相」など集団自主制作の伝統だろうか。撮影はバタバタしたが後の上映時は盛り上がっていた。

 

「海外映画祭訪問記」はザグレブやアヌシーの会場周辺の雰囲気を含めたプレゼンテーションだが、PowerPointのコンテンツ構成も写真や動画も最初から混合でデジタルネイティブ世代の若さを感じた。

 

「みんなでアンケート!」は参加者が事前送付した「あなたをアニメーションの世界に引き入れたアニメーション」などを集計して「世代によりホルス、トリトン、ヤマト、ガンダムが多いが、意外にもカナダNFBは少ない」などと発表し、会場から「それは設問の影響では」と意見が出ていた。ただ後半はテーマ不明な発言も増えたので、参加者の会話促進ならば仮説や映像などネタ提供があっても良かったかも。

 

夜はアニメ研究家の権藤さん、平岡さん、原口氏の発表でどれも密度が濃く勉強になった。動画配信も良いが、その場で本人と意見交換できるのはリアルイベントの良いところ。企画終了後にも朝6時まで有志で話を続けていたらしいが、私は3時には寝る。

 

翌朝は反省会と引継ぎで、参加者の簡単な感想と、翌年の静岡主催が決まり、大広間で記念撮影して解散でした。

 

個人的には名古屋城にも寄り、ひつまぶしやスガキヤ初体験もできた2日間でした。

 

■パンフ表紙

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■開催案内

開催案内は過去参加者へのメールの他に以下でも報知されました。

月刊近メ像インターネット「全国アニメーション総会募集始まる」(2025/9/23)

 

 

■参加者の方のポスト

 

 

 

 

 

 

 

■記事

月刊近メ像インターネット「第53回全国アニメーション総会 知多・美浜町野間大会」(2025/11/23)

 

以上です。

上映会「動画倶楽部 第11回 元祖ナーザ+追悼上映 」感想

2025/9/20(土)「動画倶楽部 第11回 元祖ナーザ+追悼上映 」(都立多摩図書館での16ミリフィルム上映会、7作品)の感想です。ホードマンの「シュッ・シュッ」が最高でした。(最終更新 2025/9/24)

 

当日配布のパンフレット

 

上映作品

日本語版フィルムのタイトルは「わんぱくナージャの竜王退治」。中国が文化大革命以降の鎖国状態から改革開放政策に転じた頃の、当時はディズニーや東映動画にも並ぶ長編フルアニメで、ナーザと師匠の再会シーンの 360度回り込み も話題となった。中国の神怪小説の一つだが、民衆を苦しめる四大龍王にナーザ(哪吒、ナタ)が庶民の側で立ち向かう形なので共産中国でも良いというところか。全編に京劇風の音楽や立ち回りが溢れていて楽しい。

 

次の「追悼 コ=ホードマン」は立体アニメの短編だが5本まとめて見ると、人形の表情は変えずに手足の繊細な動きや要所での顔アップで感情を表現する緩急がすばらしい。

今回の個人的ベスト。日本語版フィルムのタイトルは「シュッシュポッポ」。積み木の世界で子供達にドラゴンが迫るが、横パンのカメラワークの中で立方体3個だけで構成された子供達が技巧を駆使してスムーズな動きを表現し、その遠景には迫るドラゴンなど、子供向けの話で立体アニメの極地の一つに思える。

 

イヌイット(エスキモー)の伝承の歌に合わせて展開する初期の人形アニメ2作だが、「カラス」は床の骨の動きが滑らかだが日本語の説明が多く、「ネズミ」は説明がフランス語?で話はわからず。なお上映されたフィルムは退色が進み真っ赤だったが、後でリンク先のYouTubeで見るとカラフルでびっくり。

 

音楽に合わせて入れ子のマトリオスカが動くだけで、セリフも背景も特殊撮影もなく「根気さえあれば誰でも作れる」立体アニメの原点のような作品だが、色々な動きのパターンや、最小の人形がペア組みであぶれて戸惑ったりの描写が楽しい。

 

ホードマンの代表作で万人受けするためか過去はよく上映された。セリフの無い動きと音楽だけで、子供心溢れる砂遊びと最後は砂に還ってしまう寂寥感が印象に残る。これもフィルムは退色が進み真っ赤だが、過去によく上映したフィルム(旧日比谷図書館)と同一なので、年数の影響を感じた。

 

最後は「追悼 堀口忠彦」。

  • じごくのそうべえ

情報も上映機会も少ない作品で、桂 文我の語りと演奏に合わせて展開するが、正直言って山場や見どころは特に感じられなかった。

 

 

関連リンク

 

以上です。

上映会「動画倶楽部 第10回 カナダ作品集その2+α」感想

2025/7/26(土)「動画倶楽部 第10回 カナダ作品集その2+α」(都立多摩図書館での16ミリフィルム上映会、10作品)の感想です。(最終更新 2025/9/7)

 

書くのが1か月以上遅れたので簡単に。上映作品はNFB 9作品と「+α」の計10作品でした。4月の「カナダ作品集その1」と同様に大半はYouTubeのNFBチャンネルなどでも見られますが、上映会は独特な雰囲気も感じます。

 

 

当日配布のパンフレット

 

上映作品

最初はライアン・ラーキン(Ryan Larkin)の3作。

この2作は音楽に合わせて多彩なタッチが続きて、アニメーションの原点とか、1980年代に学生が習作的に作った「しりとりアニメ」を感じる。

NFBの説明ではギリシャ神話で半獣神パーン(パン)追いかけられ葦と化したシリンクスの話を木炭で紙に描いたそうだが、絵の一部だけが徐々に変化してピンスクリーンや砂アニメのような魅力があり、個人的には特に冒頭の木々が浮かびあがり小さな鳥が飛ぶ動きが出色と思う。

 

なぜか箱に入っている人々を記号的に簡単に描くので九里洋二も連想するが、結局ブラックなのだろうか。

 

この作品のみNFBではない「+α」分で、商業的なクリスマスに反発した猫2匹が人々に本当のクリスマスソングを聞かせたいとコオロギ?を訪ねる話。同じチャック・ジョーンズ作品の「トムとジェリー」などの雰囲気を感じる。

 

カフカの小説のキャロライン・リーフによる有名な砂アニメだが、部分的な描き替を活かした視点ぐるりなど独特で異様な雰囲気が魅力。

 

  • 市民ハロルド (Citizen Harold / Hugh Foulds)

  • 税金はこわくない (Tax Is Not a Four-Letter Word / Michael Mills)

YouTubeで動画は発見できず、「市民~」は印象に残らず、「税金」は「税金は取られ損でなく役に立っている」教育映画に思えたがよくわからず。

 

ファンも多いインド出身のイシュ・パテルの代表的2作だが独特の世界観が面白い。「ビーズゲーム」はビーズを並べただけなのに生命誕生から予想外の展開との構成が見応えあり、見返しできないリアル上映会で観るのが向く気がした。

 

関連リンク

 

以上です。

上映会「動画倶楽部 第9回 日本の人形アニメーション」の感想

2025/5/31(土)の16ミリフィルム上映会(5作品@多摩図書館)の感想です。一部は動画リンク付き。(最終更新 2025/6/1)

 

 

当日配布のパンフレット

*パンフ訂正:「てんまのとらやん」の「ビデオ東京プロ」→「ビデオ東京・アニメーションによる表現の会」

 

上映作品

瓜子姫とあまのじゃく

www.youtube.com

日本の人形アニメ先駆者である持永只仁の最初の全編人形アニメだが、昔見た時は「歴史的作品なのは判るが、退屈でつまらない」印象だった。ところが今回見直して「実はかなり良い」事に気づけた。

  • 最初に静止した人形で登場人物の紹介をしてから「これだけの人形で、さあ人形芝居のはじまりです」と動き出すのが人形アニメ黎明期らしく新鮮
  • 地味なシーンを含めて1画面で人形4体ほど動かしたり、瓜子姫が織機動かす後ろであまのじゃくが糸巻機を回したり、非常に手間のかかるシーンが多い
  • 背景の日本の古民家が美しく手前の柵など奥行きも感ある
  • 最近のようなバストショットや顔アップは無く、セリフや効果音も少なく、演劇や人形劇をみているよう(派手さに慣れた子供には退屈かも)

ただ16ミリフィルムは音声が半分ほどしか聞き取れず、Youtubeで聞き取れるのは皮肉。

 

五匹の子猿たち

これも5匹の子猿が1画面で動いたり、遊び場でそれぞれ遊ぶのをパンしたり、かんり手間をかけているが、特に興味深かったのは、

  • 頭と尻尾が巨大なユニークな狼の造形(襲われる子猿からの視点?)
  • 新しい遊び場を求めて険しい山に登る際に、細かい失敗をしてから成功する、リアル感ある演技

 

野ばら

(↓ 動画は前半(1/2) が見当たらない!)

www.youtube.com

 

山奥の国境を2日だけで守る兵士だが、やがて戦争が。人物だけでなく柵なども陶器に見える。不思議な映像美。

  • チェスを将棋と訳すナレーションが時代を感じる
  • 小川のキラキラが手前の人物より更に手前にも流れる出崎チック?

 

おこりじぞう

広島の原爆で「わらいじぞう」が「おこりじぞう」になった話。

  • 少女の被爆前後の動きが細かく、ナレーションで「死んだ」ではなく「殺された」と繰り返すのが強い印象を与える
  • 木下蓮三の「ピカドン」同様に近年は全く見なくなった反戦映画

 

てんまのとらやん

「もーれつア太郎」の大阪版みたいな作品。当時の「今風」な男性コーラスやドラムなどに逆に時代を感じる。

 

関連リンク

第1~4回

rabit-gti.hatenablog.com

 

第5回

rabit-gti.hatenablog.com

 

第6回

rabit-gti.hatenablog.com

 

第7回

rabit-gti.hatenablog.com

 

第8回

rabit-gti.hatenablog.com

 

動画倶楽部の予定と履歴

ameblo.jp

 

以上です。

IT:三井住友銀行の4/29システム障害と勘定系の構成

三井住友銀行の4月29日システム障害の話を、勘定系システム構成の話も加えてまとめてみました(最終更新 2025/5/27)

 

(ポイント)

  1. 4月29日に28支店で入出金不可が発生
  2. 原因は勘定系コンピューターの1台の故障
  3. 5月の作業は延期したが新勘定系システムへの移行完了予定は変更なし
  4. メガバンク唯一のNECメインフレーム (ACOS-4)
  5. ユニークな店群単位の「水平分散アーキテクチャ」構成
  6. なおIBMメインフレームは2系統バックアップ構成など

 

(目次)

 

Q1.障害の内容は?

4月29日(火)午前1時20分頃から23時16分頃まで関西の28支店の口座で、ATMやスマホアプリを含めて入出金不可が発生した。当日の神戸新聞の記事が早くて詳しい。

29日午前1時20分ごろ、三井住友銀行でシステム障害が発生し、関西を中心に28支店の口座で入出金ができなくなった。兵庫県内では神戸営業部(神戸市中央区)や尼崎、西宮、芦屋、宝塚の各支店など5市の18支店・出張所の取引が停止。22カ所の店外ATMも止まり、うち19カ所は県内だった。各支店に口座がある場合、スマートフォンアプリ「オリーブ」も使えなくなった。

三井住友銀でシステム障害 神戸など28支店の口座で入出金できず スマホアプリも使えず|社会|神戸新聞NEXT

 

復旧は当日夜で約22時間後。

三井住友銀行は2025年4月29日、同日未明から続いていたシステム障害について、発生から約22時間後の同日午後11時16分ごろに復旧したと発表した。

三井住友銀行のシステム障害、22時間で復旧 原因は調査中も「店群」と関係か | 日経クロステック(xTECH)

 

三井住友銀行は 公式 X(旧ツイッター)で計4回(発生後、影響、復旧、復旧後対応)の発信を行った。なおリンク先のHPの情報は既に削除済のため、フローなツールの筈のXのみに残っている逆転現象ですね。

三井住友銀行 公式(ミドすけ)
@smbc_midosuke·
4月29日
4/29(火)1:20頃より、システム障害が発生し、複数の店舗におけるATMでのお取引および口座をお持ちのお客さまの各種サービスがご利用頂けない事態が発生しております。ご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。対象となる店舗など詳細は三井住友銀行HPをご覧ください。

https://x.com/smbc_midosuke/status/1916999196986798504

 

 

Q2.原因は?

勘定系システムのコンピューターの1台の障害で、障害の詳細は現在も未発表。

同行によると、国内勘定系と呼ばれるシステムを構成するコンピューター16台のうち1台で障害が起きた。

(上記の神戸新聞NEXTより)

 

三井住友銀行の勘定系システムのコンピューター(NEC製メインフレーム)は本支店のグループ(店群)単位の構成。東京8台と関西8台の計16台構成で1台が約30店を担当する(現在の本支店数は445だが単純計算で 30店 x 16台 =480店 まで可能)。このため今回は関西センター内の1台の故障により、その1台が担当する28支店が影響を受けた」と思われる。 

デジタル時代を支える次世代勘定系システムの構築について | 三井住友銀行

 

なお銀行の勘定系は冗長化が必須で、常識的には障害の発生した関西センター内にバックアップ機もある筈だが、復旧に時間を要したのは二重障害や想定外などの複合的障害の可能性も考えられる。

 

また1月より実施中の新勘定系への移行作業と、今回の障害は無関係と説明。

同行は5月4~5日に新勘定系システムへの移行を計画しているが、今回の障害は「新システムへの移行とは関連がない」(広報)としている。

三井住友銀行でシステム障害、勘定系が原因か 移行とは「関連ない」 | 日経クロステック(xTECH)

 

 

Q3.復旧後の影響は?

三井住友銀行は4月分と5月分の一部の手数料を請求しなかった。

2025年4月分の手数料についてのご案内

2025年5月分の手数料についてのご案内

 

また5月に予定していた新勘定系システムの更改準備作業を延期したが、2026年度中の移行完了、とのスケジュールは変えていない。

三井住友銀行が新勘定系への移行延期、システム障害で 26年度中の完了は変えず | 日経クロステック(xTECH)

 

 

Q4.そもそも勘定系って何?

現在の銀行はIT(コンピューターと通信)を活用した装置産業とも言われるが、特に重要(ミッションクリティカル)な預金管理などの中核(コア)が勘定系で、通常は本支店・口座単位で各種の入出金や残高を管理している。他には顧客(CIF)単位の情報系、本支店用の店舗系、全銀接続などの対外接続系などもある。

 

日本では銀行の勘定系は社会インフラ扱いで障害は報道され監督官庁から改善命令を受ける事もある(世界的には障害で騒がれない国も多い)。

 

なお細かく見れば本支店の勘定系端末やATMやインターネットバンキングなども勘定系ネットワークで、どこまでを勘定系システムと呼ぶかは銀行や視点により異なるが、ここでは勘定系処理の中核のコンピュータを指す。

 

 

Q5.使われているコンピュータは?

三井住友銀行は勘定系コアに大手銀行では唯一、NECのメインフレーム・コンピューター(ACOS-4シリーズ)を使用しているが、ネットで得られる情報は非常に少ない。

 

ACOSはNECが技術提携したハネウェル(現BIPROGY/ユニシス)のGCOS、更にはGEのGECOSなどの流れを汲むメインフレームで、1974年に誕生し、現在の上位シリーズはバイトマシンのACOS-4、CPUはNEC独自からインテル itanium 2 に移行後、現在は再びNEC独自のCMOSプロセッサのNOAR。

 

NECは比較的小規模な銀行(旧第二地銀、相互銀行など)に強くオープン系(分散系)への移行も進めているが、「ACOS-4は三井住友銀行のために継続している」とも噂される。

 

なおメインフレームは富士通の撤退が有名だが、NEC(とIBM)は今後の新モデルを含めて継続表明済。

 

 

Q6.勘定系システムの構成は?

NECメインフレーム ACOS-4の使用は合併前の旧住友銀行から続いていて、ユニークな店群単位の「水平分散アーキテクチャ」を構築し、さくら銀行(旧太陽神戸三井銀行)との合併でも住友銀行が主導権を握り、住友銀行の勘定系システムに片寄せ移行した。その後にオープン化検証で一部業務を切り出ししたが、安定性重視で中核にメインフレームを継続し、2016年に機器更改(メインフレームの最新化)、2026年度に次の機器更改を予定している。

 

この水平分散アーキテクチャは支店数や支店当たりの処理が増加しても、理論的にはメインフレームの台数を追加すれば対応できるため、超並列(MPP)システムと同じような拡張性があると思われる。

 

一般論、特にリファレンス重視の銀行業界ではマイナーな製品や構成はリスクと扱われるが、合併時もその後も大きな問題や障害の話は聞かない事も事実だ。

 

(三井住友銀行の勘定系システムの経緯)

■1994 年 住友銀行 第4次オンライン化(約30店単位の水平分散アーキテクチャ)

 

■2002 年 さくら銀行と合併し三井住友銀行に(勘定系は旧住友銀行へ片寄せ統合)

 

■2009 年 オープン化検証(勘定系プログラムのオープン系システム稼働)

 

■2016 年 更改・BCP(ACOS-4 i-PX9800へ移行、東西センター相互バックアップ)

NEC、三井住友銀行の勘定系システムにおける東西相互バックアップ環境を構築 (2016年9月5日):プレスリリース | NEC

三井住友銀行、勘定系システムのBCPを大幅強化、NECが支援 - ITmedia エンタープライズ

 

■2026年度中 更改予定(ACOS-4 i-PX AKATSUKI/A100へ移行、勘定系DBからオープン系へのリアルタイム反映。移行作業 2025年1月から)

NEC、三井住友銀行の次世代勘定系システムの構築ベンダに選定 (2020年11月11日): プレスリリース | NEC

三井住友銀行が新勘定系システム移行を2025年1月開始、2026年度中に完了予定 | 日経クロステック(xTECH)

 

(参考1:メガバンクの勘定系コンピューター)

 

(参考2:IBMメインフレームの典型的な勘定系システム構成)

大規模なミッションクリティカル用の典型的な構成には2系統バックアップ構成(2系統XRF)がある。

  • メインフレーム複数台をクラスタ化(Sysplex構成で時計共有やロック管理)
  • 2系統(A系/B系)に分けてDB共有(本支店の端末もA/B半々でリスク分散)
  • 各稼働系の障害児に待機系(ウォームスタンバイ)に切替(XRF Takeover)
  • オプションでコールドスタンバイ機(平時の開発機などを停止して、I/Oやネットワークを切り替えて本番機として起動する)

 

なおXRFは製品ではなくOSやミドルに実装された高可用性機能で、切替時の瞬断を可能な限り減らすため、処理中のキューやログを参照して処理を引き継いで端末やATM側のタイムアウト内に処理結果を返すことで、大半の障害が見えない(=ユーザーへのエラー表示や再試行操作不要)にする。ただXRFはIMS 15.2以降はサポートが無くなるため、今後の構築では新しい方式に変わると予想される。

 

三井住友銀行の店群単位の並列処理と比較すると、基本は集中処理でリスク分散や即時バックアップ機を組み合わせた形といえる。

 

(参考3 当ブログの元となった当時のXポスト)

 

最後にIT関係の他の記事もよければ見てね(メインフレームとPC偏重ですが...)

 

以上です。

上映会「動画倶楽部 第8回 カナダ作品集1 + 海底二万哩」の感想

2025/4/5(土)の16ミリフィルム上映会(多摩図書館、9作品)の感想です(最終更新 2025/4/6)。

 

カナダNFB(国立映画庁)は多数の短編アニメーションを製作し、1980年代には大学の上映会などで良く16ミリフィルム上映され、多くはYoutubeでも見られる。

 

逆に日米合作の「海底二万哩」は日本未放映で、日本語版は教育用に販売された16ミリフィルム版くらいな幻の作品。

 

 

当日配布のパンフレット

上映作品

開会の辞(ノーマン・マクラレン)

*1px;">Opening Speech: McLaren, Norman McLaren, provided by the National Film Board of Canada

www.nfb.ca

 

幼児が見ても楽しそう。多数の実験アニメーションを作ったマクラレンが主演だが、次第にテンポが上がりエスカレーションして各国語文字が躍る様子は後の「隣人」も思わせる。

 

ペン先の音(ノーマン・マクラレン)

*2px;">Pen Point Percussion, Norman McLaren, provided by the National Film Board of Canada

www.nfb.ca

 

フィルムの磁気録音ではなく光学録音を知らないとわからない気もするが、シンプルな説明がわかりやすい。

 

線と色の即興詩(ノーマン・マクラレン)

*3px;">Blinkity Blank, Norman McLaren, provided by the National Film Board of Canada

www.nfb.ca

 

フィルムに直接傷をつけるシネカリグラフの代表作だが、素早い動きと、根気の要るゆっくりした動きの対比が楽しい。

 

バラブロック(ブジェチスラフ・ポヤール)

*4px;">Balablok, Bretislav Pojar, provided by the National Film Board of Canada

www.nfb.ca

 

動作や声も素朴で共感できる社会が、差異をみつけて変化していく。もちろんヘーベルハウスのCMより先。なお鉤十字が一瞬出た気がしたが、Youtubeで見返したら絵も音声もボールでした(見えなくもない...)。

 

アルファベット(エリオット・フェット・ノイズ・ジュニア)

*5px;">Alphabet, Eliot Noyes, Jr, provided by the National Film Board of Canada

www.nfb.ca

 

A~Zで始まる言葉探しで、子供達が見ながら答えを言い合う作品と思うが、当然英語なので少し悩むし、中には正解を文字で出したり苦しい例もあるのも楽しい。

 

海底二万哩 ノーチラス号の冒険(トップクラフト)

(フィルムケース内のちらしより)

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旧東映動画の流れを汲み、スタジオジブリ設立の母体となったと言われるトップクラフトの日米合作の中編アニメ。ほぼ全カットが前後やパースを強調した構図で、人物の黒い影もカッコ良いが、原作のストーリーの忠実な説明で特に盛り上がりはなく平坦な印象でした。

 

「タイトルは哩(里)かマイルか問題」は、日本語版のフィルム上のタイトルは「哩」にふりがな「マイル」と併記でした。なお原作は「リュー」で哩(里)もマイルも正確ではなく、作中では搭乗者が「少なくとも二万は航行しただろう」と話しただけなので、こだわるのは無粋かも。

 

なお聞いた話では「日本未放映で、TVで見たとの声もあるが昔の記憶でもあり、証拠判明までは都市伝説状態」とか。

 

(参考)五味洋子さんのトップクラフトの記事

www.style.fm

 

トゥ・リエン(フレデリック・バック)

www.youtube.com

 

神と生きて来た人間が虚飾に目覚めてしまった話。無機質な近代大量生産時代をネガティブに、過去の素朴な生活を暖色で描くバックの中でもストレートな(今風なら「思想の強い」)作品だが、柔らかい絵柄から記号的な雨まで色や表現を駆使した作品が楽しい。

 

タラタタ(フレデリック・バック)

www.youtube.com

 

盛大なパレードは圧迫的な近代文明に続き、見物できなかった少年は暖いパレードを夢想する。最後に少年が逃げた後の近代文明の水色の花火はハッピーエンドなのか皮肉なのか。

 

クラック!(フレデリック・バック)

www.youtube.com

 

バック3作品とも近代批判と懐古だが、この作品だけは最後に、無機質に見える近代抽象美術館で守衛は笑顔で手を振り近代絵画にも思い出が潜んでいるようにも思え、単なる過去の夢想との解釈のほかに、近代にも底に暖かみはあるとの重層的な解釈もできる点は違うと思う。

 

関連リンク

第1~7回の感想

rabit-gti.hatenablog.com

 

rabit-gti.hatenablog.com

 

rabit-gti.hatenablog.com

 

rabit-gti.hatenablog.com

 

動画倶楽部 予定と履歴

ameblo.jp

 

以上です。

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