2026/3/14(土) 上映会(2作品)の感想です(最終更新 2026/3/15)
ロシア民話のソ連時代のアニメ化で、手塚治虫にも大きな影響を与えた。オリジナル版とリメイク版の連続上映なの違いが判り面白かった。いずれも都立多摩図書館(旧日比谷図書館)所蔵の16ミリフィルムで各2巻。
1.「せむしのこうま」(1947、オリジナル版、58分)
フィルムは褪色で真っ赤だが、色以外の画質は良く、また音も良かった(音は貸出される映写機次第との説あり)。
「長靴をはいた猫」や「バヤヤ(王子)」のように、主人公のイワンが「せむしのこうま」の言う事を聞いて出世する話だが、主人公や兄弟はちょっとロトスコープ的なリアル風、城の王様達は昔の漫画映画風、そして金色の馬や火の鳥は露骨に手塚治虫アニメ風と、複数の絵柄と動きに描き分けられ、更に明るい舞台とおどろおどろしい暗い森の対比など、ディズニー「白雪姫」やグリモー「やぶにらみの暴君」も連想して、アニメーション映画の黎明期~普及期の構成とも思う。
手塚治虫も「火の鳥」はこのアニメが元としているが、このアニメではミステリアスな女神だけではなく、リンク先の絵のように少しひょうきんな顔もする。
手塚治虫はロシア(そのころはソビエト連邦という名前でした)で1947年製作、1949年3月に日本でも公開されたアニメ映画を見て、『せむしの仔馬』がすっかり好きになりました。ライフワークとなった『火の鳥』のキャラクターは本作に登場する脇役の火の鳥がルーツですし、最晩年のテレビアニメ作品『青いブリンク』も、この作品を換骨奪胎して現代風にしたものです。
そして「東の国の姫」が異様に枚数をかけた妖艶なヒロイン描写でした。
2.「世界名作童話 せむしの仔馬」(1976、リメイク版、74分)
同じ制作スタジオ、同じ監督による29年後のリメイクで、絵柄も話も基本は同じだが、前作で少し唐突に感じた細かい展開が全て自然になっていて、さすがリメイクでした。具体的には、
- 主人公は音楽好きで、畑や馬手入や罠作成など少しは努力する描写
- 「せむしのこうま」と主人公は、地味な末っ子同士で友達になる
- 主人公達や王様達の描き分けも、ちょっと調和的に
- 「島のような動かないクジラ」エピソード追加で、スペクタクルシーン
- 主人公に誘拐される「東の国の姫」が「太陽の娘」とやや穏健に(翻訳の問題?)
そして何より多くの背景や映像が、どのカットのどの瞬間を拾っても絵本になるような美しさで見応えありました(オリジナル版は褪色で判らなかったのかもしれませんが)。
当日のパンフです(ただしオリジナル版の47分は正しくは 58分)

動画倶楽部の上映会の予定と履歴は以下をどうぞ。
■(参考)動画倶楽部 | 早稲田アニメーション同好会の記録(非公式)
以上です。