2024/12/7(土)「動画倶楽部 第6回 上映会」のアニメ7作品(全て多摩図書館所蔵の16フィルム)の感想です(最終更新 2024/12/16)。
(当日配布のパンフレット)
世界人権宣言
世界人権宣言40周年記念として各国アニメーション作家がオムニバス形式で全30条を紹介する形でアニメーションの多彩な表現やダイナミズムを感じる。なお残念ながら、アムネスティインターナショナルのサイトの「動画で学ぶ人権」には2016年版の簡単なアニメなど最近の動画が中心のようで当作品は見当たらない。
(アムネスティインターナショナルの作品説明)*ビデオ販売は「欠品中」
牧笛
叙情に満ちた中国の「水墨画アニメ」で、音楽に合わせた端正でリアルな作画と画面に広がる余白の白が美しい。ただ当フィルムには開始直後に「全ては夢でした」とのネタバレな余計なナレーションがある(過去のアニドウ上映会では無かった)。YouTubeでも見られるが個人的には当作品はスクリーンの柔らかい投射光が合う気がする。
ねずみのよめいり
東映動画(現 東映アニメーション)の名作「こねこのらくがき」のような初期の短編作品だが、特にフレアを製造?している神々しい太陽や、シンプルで立体感溢れる馬車の作画が素晴らしい。1961年に新人育成の一環として「もぐらのモトロ」と共に制作され、18年後の1979年に「東映まんがまつり」の1本として劇場公開され、2017年に三鷹の森ジブリ博物館でも上映された。
黄金のかもしか
インドの民話を描いたソ連の中編アニメで全編がロトスコープ併用のような非常に丁寧で手抜きの無い作画だが、平面的な左右動きが多いし印象に残るシーンや表現もなく、国費を投じた無難な官僚的作品に思えてしまった。
三匹の子熊さん
1931年の日本の短編アニメと、ファンの多い「茶目子の一日」とも同年で似たキュートさはあるが、音楽は無く正直わけがわからないので24コマ/秒の少し早送り上映で却って良かったかも(暴言)。残念ながら「劇場アニメ70年史」には見当たらない。
流れ
リミテッドアニメーションの「UPAスタイル」を生み出したジョン・ハブリーの1966年の作品だが、豪華客船での乗客のジュークボックス選曲で騒動が起こるもののオチが無くよくわからない。なおタイトルの「The Cruise」の和訳は普通は「航海」や「船旅」と思うのに、抽象映像のイメージもある「流れ」とは、まさか(意味不明に流れていく)作品を重ねたのだろうか。なお旧日比谷図書館以前から「流れ」らしい。
(NFBの作品説明)
雪の日の出来事
雪の日の夫婦と郵便配達人の話だが、全く予備知識なしで観るのが良いと思う作品。なおカナダ映画庁(NFB)作品は昔はカナダ大使館が貸出して「大使館フィルム」と呼ばれ、後に図書館に寄贈されて図書館貸出となり、1980年代頃の上映会で良く上映された。
(おまけ)過去と今後の上映
(動画倶楽部 第1~4回)*後半に16ミリフィルム上映会開催の話題もあり
上記リンク先にもありますが多摩図書館所蔵16ミリフィルムは以下で検索できます。
(動画倶楽部 第5回)*前回
(動画倶楽部 X)*今回の終了時ポスト。前後に観客の方々の感想のリポストあり。
2024/12/7(土) 第6回 16ミリフィルム アニメ上映会(世界人権宣言、牧笛、他5本)は無事終了しました。ありがとうございました。
— 全国アニメーション総会東京大会(動画倶楽部) (@animesoukai_tky) 2024年12月7日
次回は2025/2/15(土) 第7回(ゼロの発見、他5本の広報アニメ特集で、詳細は以下の引用ポストをご覧ください) https://t.co/cf42LAMUJh pic.twitter.com/aJn0Lz3uHT
(動画倶楽部のサイト)*予定と履歴のまとめ
以上です。