X(Twitter)に書いた10件に「ポイント」を追加してまとめました。
気になるメインフレーム用語①
— rabitgti (@rabitgti) 2024年8月28日
【メインフレーム】
大企業など巨大組織向けの大型コンピュータ。
実際には分散系(ミニコン/WS/オープン系)以前の各社大型機とその子孫の歴史的総称。なのでオフコンは本来含めない。
ホストは論理的な通称。
汎用機は専用機(10進またはfp)に対する古い用語。
ポイント
気になるメインフレーム用語②
— rabitgti (@rabitgti) 2024年8月28日
【メインフレーマー】
メインフレームのメーカーで現6社
(国産)
富士通 (GS) *IBM互換/撤退表明済
日立 (AP) *IBM互換/HW製造はIBM
NEC (ACOS) *Honeywell系
(世界)
IBM (z)
UNISYS (ClearPath) *旧UNIVAC/Burroughs
Atos (BullSequana) *旧GE/Honeywell/Bull
ポイント
気になるメインフレーム用語③
— rabitgti (@rabitgti) 2024年8月29日
【MIPS(ミップス)】
RISCではなく、メインフレームのCPU性能指標で「100万命令/秒」
しかし使用頻度の高い複数命令群をマイクロ化(長い1命令化)すると性能は上がるがMIPS値は下がる等、CPUクロック同様に単純な性能比例とは限らず、IBMは相対性能比ITRを推奨。
ポイント
- MIPSは性能比の大きな目安にはなる
- しかし正確な比較ではなく、特に世代間は単純に信じないように
気になるメインフレーム用語④
— rabitgti (@rabitgti) 2024年8月30日
【JCL(ジョブ制御言語)】
実はIBM系でもOSにより、MVS系はJCL、VSE系はJCS、VM系には存在しない。
unixのシェルスクリプトに例えられるがオプションではなくプログラム実行に必須で、優先順位やプログラム上のラベルと実ファイルの紐づけなど、開発と運用を分離する。
ポイント
- よく「メインフレームはJCLを使う」と言われるが、OSによっては無い
- JCLは組織内分業なので、「ユーザーが神」のオープン系文化から見れば面倒
気になるメインフレーム用語⑤
— rabitgti (@rabitgti) 2024年8月31日
【独自仕様のHW/OS】
ほぼ正しいが細部は例外あり(各社現モデル)
・IBM互換HW/OS - 富士通(31bit)・日立(64bit)
・UNIX環境 - IBM (z/OSのUSS)
・Linux(ネイティブ) - IBM
・Intel XEON - NEC(ACOS-2)・UNISYS・Atos(Bull)
*NEC(ACOS-4)はIntel Itanium→NEC NOAR https://t.co/VeIMTuv0oE
ポイント
気になるメインフレーム用語⑥
— rabitgti (@rabitgti) 2024年8月31日
【階層型DBMS】
実はメインフレームでもRDBMSの方が大多数。
階層型の代表は1966年にアポロロケットの部品管理用に誕生したIBM IMS-DBで、レコードのキーや親子関係は厳密だが、後のRDBMSより省リソースで高速。国産各社はより柔軟なネットワーク型が多い。
ポイント
気になるメインフレーム用語⑦
— rabitgti (@rabitgti) 2024年9月1日
【COBOL】
誤解が非常に多いがメインフレーム特有ではない。COBOLは業界標準の商用業務記述言語で世界で現役だが、メインフレームでは FORTRAN, PL/I, C, Javaも多い。日本のCOBOL批判の大半は言語自体より、拡張を止めた国産メインフレームの古い環境や文化の話。
ポイント
気になるメインフレーム用語⑧
— rabitgti (@rabitgti) 2024年9月2日
【各社独自の通信規格】
無手順→IBM BSC→IBM SDLC(SNA)と進化。競合はDEC DECnet, 富士通 FNA, 日立 HNA, NEC DCNA、ISO HDLC(OSI)等。集中管理で常時ポーリングし、回線単位の帯域管理・暗号化や端末単位OFF/ONも可。
ただし現在はメインフレームも基本TCP/IP。
ポイント
- よく「ネットワークも独自」と言われるが、今はTCP/IPが普通
- ただ独自技術の頃は、細かい制御ができてセキュリティも高かったのは事実
気になるメインフレーム用語⑨
— rabitgti (@rabitgti) 2024年9月3日
【集中処理と並列処理】
1台に多数業務を集約可能は本当だが、運用設計上の並列処理も当然あり、IBMのXRFやSysplexでの複数筐体や、NECパラレルACOSでの店群単位並列の他、ND/Web/AP/DB構成はオープン系と同じ。なお仮想化(複数OSの区画)は標準。
ポイント
気になるメインフレーム用語⑩
— rabitgti (@rabitgti) 2024年9月4日
【固定長レコード】
固定長(F)の他に可変長(V)や不定長(U)もOS標準で選択できる。
固定長の多用は歴史的なパンチカード・階層型DBレコード・電文等との親和性と思うが、不定長を選べばストリーミングデータなのでオープン系とも同じ。
ポイント
以上です。一言で言うと、世間の「メインフレームは〇〇だ」という不正確な偏見への説明(反論)でしたが、読み返すと「Xだけでは肝心のポイントがわからない(書いてない)」が多い事に気づいて、まとめ下手なのを反省です。