大林宣彦監督が亡くなったとの報道を見て、突然だが「HOUSE ハウス」(1977年)について書きたい。大場久美子でハウスでもククレカレーではなく映画の話です念のため。
著名な作品は皆さんが沢山触れてくれると思う。
でも私には大林監督と言えば「HOUSE」だ。
CMで活躍していた監督の初劇場映画作品だけど「最初だからインパクト」ではない。大林作品を色々見てから、初期の作品らしいと雑誌「ぴあ」で見て板橋区あたりの名画座で一人で観たと思うがそのインパクトは忘れない。
「映像の魔術師」と言われる監督だが、映像はリアルや幻想的というより、コラージュやサブカルの世界と言うか、安易なマンガでチープで手抜きにしか見えないシーン続出なのだが、それが前後の情緒的で耽美な当時の少女漫画的世界と不思議に繋がって飽きない。
そこが次第に世間一般向けに名作調になってしまった作品群とはまた別の、「こんな表現もしてみたい、これはどうだ」「映像は爆発だ!」なニッチでストレートな初期の破壊力が感じられる気がする。
それでいてファンタが可愛いアイドル映画だし(すみません大場久美子目当てで観ました堪能した)、友情出演の農夫(小林亜星)は笑えるし、おばちゃま(南田洋子)はディズニー映画悪役のように圧倒感あって美しい。
この予告編だけでもカオス満載(4/12 11:00 リンク訂正/追加)。
AFSイベントでの予告編。アートだ。
そしてこの導入部だけでも女学生世界の妙な平和さが違和感で既に怖い。
違和感と美、破壊と計算が共存した気軽なコメディホラーかなと思う。良くこんな変な劇場映画を作れたものだ。
騙されたと思って探して観て欲しい。ただ「ほんとにチープじゃんか」とのクレームはスルーさせて頂きます(^^)/
ご冥福をお祈りします。