映画「アナと雪の女王2」(2019年、監督 クリス・バック)の感想です。「ここが凄い」と「ここが気になった」をなるべく簡単に。軽いネタばれあり。
ここが凄い
2013年の前作「アナと雪の女王」の6年ぶりの続編で同じ監督。ディズニー長編ヒット作の「2」なので、前作のイメージや各キャラクターのファンを裏切らず、しかし新しい面も求められ、勿論「政治的な正しさ」(PC)も厳格に求められるので大変だ。
でも「2」は「1」の世界観を保ちながら、舞台や話を発展させて、スペクタクル要素の爽快感も出せたと思う。いきなり国王と王妃まで出てきたのは驚いたけど。
最初の登場人物紹介も、エルサがうっかりバルコニーの手摺を氷らせたり、街の子供に氷細工を依頼されて苦戦した表情したり、クールで万能なだけでないところが幅があって楽しい。
また「1」ではほとんど描かれなかった城の従者や、王族関係以外のシニアなカップルや平民同士のカップルも登場して、さすがの多様性配慮。
アナとクリストフの似た者同士漫才も面白い。
「イントゥ・ジ・アンノウン」(心のままに)も慣れてくると今回も名曲で松たかこさすが。
そして「2」ではエルサが陸海空の戦闘シーンで大活躍。今回も能力を使う前の「ため」がうまく、いざとなると両脚をふんばる古典的プリンセスを超えたポーズまで。でも必殺技はティアラ形の氷バリヤーで、実は「1」の戴冠式と同じデザインのサイズ違い、あくまで防御メインと一貫しているとこがいいですね。
ここが気になった
舞台的に仕方ないけれど暗い画面(夜間、霧、水中、地下)が多かった。
そして今回のテーマ「なぜ、エルサに力は与えられたのか―。」は、何故危険を冒して、一緒に行くとのアナとの約束を破ってまで、エルサが謎の解明に突き進んだのか、その心情がいまいちわからなかった。
もちろん「何故エルサだけ魔法が」「謎の声は」「アレンデールの異変は」「深い霧は」「戦闘理由は」「ダムは」「複数の魔法が」「あの海難は」「北の島とは」と謎三昧の構成ですが、「私はどうしても解明したい」と想いが、「イントゥ・ジ・アンノウン」の歌詞以外には見えなかった。
「1」でも想いはミュージカルパート自体で語っているけれど、ミュージカルの中で揺れる想いが描かれていたのと比較すると、「2」ではちょっと一本調子に見えてしまって、やっぱり「1」の方に共感できたのでした。
(おまけ)「3」も可能な終わり方でしたね。さすが商売上手(^^;