らびっとブログ

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大阪都構想の否決は健全と思う

10月11日夜、大阪都構想の2度目の住民投票は再び否決された。大阪府民ではないが思う事を簡単に。

 

  1. 私は民主的な議論の結果なら、都道府県も憲法天皇制も変更もあって自然と思う。民主主義の基本は人民主権だし、慎重さは必要だが、変更にも不作為にもリスクはある。「何でも現状維持」には反対だ。
  2. でも「大阪都構想」では大阪都」はできない。まずネーミングがおかしい。
  3. 大阪都構想」の中身は大阪内部の役割分担なのに、「都構想で東京と並ぶ大都市に」とのイメージ戦は表紙詐欺だ。
  4. そもそも「大阪都構想」がモデルとする「東京都制」は戦時中の中央集権で、維新の掲げる地方自治と正反対だ。自治体間の調整はどの都道府県もやってる。
  5. 今回、コロナ対策での吉村知事の支持率上昇をチャンスと強行したが、賛否拮抗のテーマは時間経過に伴い保留(今回は反対)が増えるのも人情だ。これは急進主義に対する健全な保守主義でもある。
  6. 憲法改正の予行演習とも言われるが、憲法も仮に6割の賛成で強行しても、投票が近づくと保留が増えて否決される可能性が増えた。法的安定性上も、51%の瞬間値を争う党派的な冒険主義ではなく、主要与野党くらいは含めた8割前後の安定多数の模索は必要に思える。(国会で続けられていた与野党憲法議論は、第一次安倍政権による政争化以来は停滞が続いているが。)
  7. どうも維新は機会主義(悪い意味のポピュリズム・扇動主義・冒険主義)が強い。衆参ねじれ時代は一院制や首相公選制などで憲法改正を掲げたが、国政進出が進むと聞かれなくなった。都構想法案成立に向けて自民党に恩を売っただけなのか。当面の政策は状況で変わって自然だが、基本政策がご都合主義では責任感が無い。一院制や首相公選制は(権力分立の自由主義には逆行するが)人民主権重視の民主主義の考えの一つなので、主張するならまじめに主張し続けるべきと思う。

 

(了)