らびっとブログ

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アニメ「彼女、お借りします」1期は魅力的

略称「かのかり」のアニメ1期は12話で終了した。お下品半分で偶然/ご都合連続のナンパな話ながら、原作のイメージを活かしてOPも秀逸で2期も決定と色々魅力的でした。

 

まずは原作漫画のタッチを残した(アニメというよりイラストな)透明感ある瞳のキャラが魅力的。水原は優秀だけど主人公にだけ本音攻撃がハルヒツンデレ要素か。ただ最初の怒りモードに原作ほど突然性/意外性が見えないのは残念要素。

 

主題がレンタル彼女(レンカノ)で主人公らの下ネタも多くて「少年誌やテレビアニメでほぼ風俗を宣伝はやり過ぎ」とも思うが、実は純粋な「デート目的で安易に」は失恋直後の最初くらいで、次からは家族のため、女性もそれぞれまじめな目的を持って規約も確認して始めた、とか色々配慮はしてる。

 

主人公のダメ男ぶりが話題だが、昔の私小説とか「男おいどん」とか「めぞん一刻」の五代とか、日本の伝統ジャンルなのかも。どれも情けなく身につまされるが、たまに筋を通そうとして勘違いでまたミジメ、との哀れパターンも似てるかも。

 

水原は爆発モードでも正論連射だが、だらしなく身勝手な主人公も悪意はなくて毎回一瞬は相手の立場も考えようとする(当たってるかは別)とことか、そのキャラらしくてポイントだ。

 

あと水原が眼鏡だけで変身して誰にも気づかれない(水着の時ですら)のは、クラークケントや少年少女漫画のお約束ですね。

 

そしてOPは音楽と詩にドンピシャで、今風のスマホ自撮り、水原の多面性、ヘタレな主人公がやっと決断してもぐるぐる、そして最後の領収書がレンカノ再認識だけど捨てたようにも見えるとこが憎い。

 

また更科瑠夏の過去説明の7話EDは柔軟な映像と最低限の説明で、瑠夏の悩み、レンカノの動機、そして主人公土下座シーンで本編に無い子供時代と同じ表情を出して「子供からの願いがやっと」の内面と一直線な性格を表して感動的だ。

 

悪いけど該当の絵を引用。傾きまで似てる。

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このOPと7話EDは秀逸でスタッフも同じ、各100回は見てしまった。

 

各話では最初の1,2話と、最終回直前の10,11話は作画/演出も良くて、格段に酷い回も無かったけど、最終回はもうちょい動いて欲しかった。

 

1話や10話とかでの漫画的な画面文字描きは、アニメ的には本来邪道だけど、原作のニュアンスを削らずに、下手なセリフ化よりテンポ良いので、もっと入れて良かったと思う。

 

最終回も最終回らしく無理にまとめないのも、原作世界優先でいいのでは。そもそも原作とアニメは別物だけど、これは原作イメージをうまくアニメ化できた例かと。

 

という訳で、なかなか魅力的な作品でした。

 

ところで昔は「地方の人が放映日が遅いのは仕方ないでしょ」と軽く思ってたが、U-NEXT(翌木曜、6日遅れ)でSNS上の色々残念な想いを体験して、ひとの痛みは自分で経験しないと判らないと痛感した(^^;

 

(了)