らびっとブログ

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菅政権の10の性格

2020/9/16 菅(すが)内閣発足に10の感想。

 

  1. 官房長官から総理は、福田康夫首相の例など突然の辞任表明の混乱回避/政策継続には自然。しかし各派閥の雪崩的支持の背景は、派閥が強いのではなく派閥弱体化と思う(主体性より勝ち馬殺到)。自民党の保守勢力連合体から単色的政党への変質か。
  2. 叩き上げ豊臣秀吉/田中角栄(今太閤)など庶民的で明るいイメージもあるが、ムッソリーニ/ヒトラー/スターリン/金日成も叩き上げで、後ろ盾の無い庶民出身こそ権力維持を徹底する例や、創業者ワンマンもいる。叩き上げと政治姿勢は関係ない
  3. 無派閥アピールだが、菅グループは弱小で有力者もいないから派閥均衡に乗るしかない。菅氏は官僚統制は得意だが、バルカン型政治家と言われた三木首相のように党内遊泳術が上手いかは疑問で基本は二階政権か。
  4. 安倍政権継承を掲げながら、復古/タカ派色はフェードアウトか。菅氏は公明党とパイプが太く、二階幹事長は親中派。そもそも戦後レジーム脱却の安倍氏と対照的に、菅氏の国家像は聞かない。既存政策は継続でも、愛国教育/北朝鮮脅威論/強引な憲法改正などは控えて内政優先ではないか。
  5. 消費減税否定は正しいと思う。消費税は富裕層ほど払う安定財源。仮に所得税/法人税収入が5年間1/5になっても、社会保障費1/5では持続不可。新型コロナ緊急対策なら流通負担も多い消費税ではなく直接給付(月額)を。
  6. 官邸官僚の影響低下。安倍政権後半では経産省の補佐官がアベノマスク/唐突な休校/GoToなど、従来の自民党政権では考えられない素人な思い付き政策を乱発したが、今回ようやく退任した。プロの常識的な運営を希望。
  7. デジタル庁は屋上屋なので反対(デジタル庁は天下の愚策)だが、IT化推進は賛成だ。しかしマイナンバー普及に矮小化されそうなのが懸念だ。
  8. 経済対策は前政権の世論調査でも常にトップ要望だが、そもそも主体は民間で政府は間接誘導しかできない。菅氏の会見では個々の規制緩和(という名の利益誘導)がまた続きそうな懸念。少子化も本来はキャリア/出産の両立、待機児童解消などだが、菅氏の会見では出産費用無償化/避妊治療保険化などまた矮小化しそうで蛸壺化。
  9. 外交は米国/中国/ロシア/北朝鮮ともに誰がやっても大きな変化は困難。たかが北朝鮮ミサイルを選挙前にアラートで不安を煽る手法は、却って北朝鮮の思惑通りで望ましくない。
  10. 年内解散は無いのでは。元々引継ぎ内閣でコロナ優先もあるが、現在の圧倒過半数消失リスクより長期政権の基盤作りを有力派閥が選ぶとは思えない。解散は首相の専権事項と言うが、法的には内閣で閣議決定が必要。反対大臣は罷免が必要だが、小泉郵政改革のように信念/ブームがある訳でもない。

 

(おまけ)

  • (新)立憲民主党。党名/党首/幹事長も同じで新味なし。シンプルに「民主党」で良かったのでは。旧民主党のバラバラの反省というが枝野氏は独裁的過ぎ。排除反発が起源なら包括性/多様性が必要。なお小選挙区制で野党統一候補なら社共連携も必要で連立条件明確化は必要(世界各国では極右/極左も連立参加)。
  • (新)国民民主党。小型化して更に旧民社党純化、支持組織も旧同盟(産別)。日本では提案型も妥協/抱き着きとなり、保守二大政党を掲げた政党は常に消えた歴史がある。
  • 社民党立憲民主党への合流論もあるが、今の社民党(特に地方組織)はそもそも旧民主党への合流拒否組なので難しいと思う。
  • 共産党。過去の武装闘争/自衛隊廃止/安保廃止/天皇制廃止などが叩かれるが、本来は民族独立/武装/非同盟/レーニン主義。綱領は他党と異なり当面/将来/可能性を全部書くため誤解も多い。しかし最近の護憲/社民化は戦略か変質か。いずれにせよ過去の独善主義が今も尾を引いてる。

 

(了)